2025.9.11
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【夏の移籍マーケット総括】立石CEOが語る移籍戦略と今シーズンへの意気込み
今夏の移籍市場は、STVVにとっても大きな動きがありました。新たに9名の選手が加入し、10名がクラブを去ることとなりました。STVVの立石CEOが、この夏の移籍戦略と今シーズンへの意気込みを語りました。
退団選手について
「今オフ、数名の選手と別れる決断を下しました。その一方で、藤田選手やベルタッチーニ選手といった主力の移籍もありました。人気選手がチームを去るのは決して容易に受け入れられることではありません。しかし、クラブが持続的に成長していくためには、移籍によって収益を確保し、新たな才能を発掘していくことが欠かせません。」
「ベルタッチーニ選手については、以前から本人よりキャリアの次のステップを望む意向を聞いていました。サポーターの皆さんから『より高額で移籍できたのではないか』との声もいただきましたが、移籍はクラブ間の合意だけでなく、選手本人を含めた三者の合意が必要です。海外からより大きなオファーもありましたが、最終的には本人が強く希望したアンデルレヒトへの移籍を尊重しました。」
「ルイ・パトリス選手に関しては、クラブとして売却を強く望んでいたわけではなく、本人も今季のチームに満足していました。しかし、選手にとってチャンピオンズリーグでプレーできる機会があれば、それを選びたいと思うのは自然なことです。STVVとしても十分な移籍金を得ることができ、さらに代わりとなる選手の選択肢もありましたので、この移籍を承諾しました。」
「総合的に見て、今回の移籍は市場価値に見合った妥当なものだったと考えています。サポーターの皆さんは時に巨額の移籍金の事例をご覧になりますが、冷静に考えれば、選手の平均的な移籍金や現実的な市場価値に基づいて判断することが重要です。」
新加入選手について
「退団で得た収益はクラブの強化に再投資しました。その結果、今季のスポーツ予算は過去最高水準となっています。スタッフ体制のさらなる充実に加え、選手層の拡大にも取り組んでいます。」
「新加入選手たちは“真のSTVVスタイル”を体現するメンバーです。技術力だけでなく、チームワークやハードワークを兼ね備えたチームをつくるという理念のもと、シサコ選手、畑選手、セヴァウイ選手、ムジャ選手、フェラーリ選手、メルラン選手、後藤選手といった即戦力を獲得しました。さらに、松澤選手やベナシュール選手といった将来有望な若手も加えています。」
「多くの新戦力はすでにその能力を示しており、昨季からの主力とも良い連携を築いています。ヴランケン監督のもと、非常にまとまりのあるチームが形成されつつあります。我々のモットー『フットボール、仲間、情熱』を体現するチームとなっています。」
「新加入選手の多くは完全移籍、もしくは買い取りオプション付きのレンタル契約です。唯一、後藤啓介選手についてはアンデルレヒト側が応じなかったため、買い取りオプションを付けることができませんでした。しかし、徹底したスカウティングの結果、最優先の補強候補と判断し、即戦力として必要であったため、獲得を決断しました。」
クラブのビジョンと目標
「この夏、クラブは着実に前進しました。2022年、ベルギーのプロクラブには、“5年以内に債務超過を解消する”という厳しい課題が課されました。STVVはこれを3年で達成し、昨シーズンで債務超過を解消しました。その大きな努力の結果、クラブは現在、財政的に安定しています。他クラブがコスト削減を余儀なくされる中、私たちは一歩ずつ着実に投資を続けることができています。」
「これまでの結果にも、その姿勢が表れています。ただし、足元をしっかりと見据えて進んでいきます。今季はまず“上位グループ入り”を目標としていますが、さらに上を狙えるチャンスがあれば、もちろん挑戦していきます。サポーターの皆さんとともに、達成可能な最高の成果を目指して戦ってまいります。」